春に桜

夏に蛍

秋に月

冬に雪



廻る、廻る

季節は廻る―――時空の中で、廻る


今まではそれが当たり前の事すぎて、感慨も何もなかった。

けれども・・・

「弁慶さん」

君が僕の名を呼び、

「見てください、すっごい綺麗な空ですよ!!」

そう僕の傍で笑ってくれるなら、それは「当たり前」ではない

僕にとっては何物にも変えがたい「至福」となる


「本当だ。綺麗な青空ですね。
 これだけ見事な青空なら、桜が咲いていたらさぞかし映えるでしょうに…」

「桜ならもう少し経ったら咲きますね」

「ええ、そうですね。もう春も近いですねぇ」

「桜が咲いたら見に行きましょうね!…ってあ、私、何処の桜が綺麗か知らないや」

「ふふ…望美さん。
 よろしければ春になったら、僕が知っているとっておきの場所に一緒に行きませんか?」

「え、いいんですか?」

「えぇ。貴方と二人で行けたらいいな、と思ってたので」


春の桜

夏の蛍

秋の月

冬の雪


君は一体それらを見て、どんなに瞳を輝かすだろう

そして僕に微笑んで、どんな風に伝えてくれるだろう

共に過ごす未来に思いを寄せれば、自然と胸の奥が温かく優しくなる



「わぁ、楽しみです!!すっごく!!」



そう笑う貴方が、何よりも僕を惹き付けるとは知らないでしょうね

まぁ、それは僕だけが知っていればいいですけど

貴方は何物にも捕らわれない、貴方のままでいい

きっとそれが僕の望む貴方であるから


廻る、廻る

季節は廻る―――時空の中で

春に桜

夏に蛍

秋に月

冬に雪

そんな当たり前にある、ささやかで尊い、愛しいもの




でも時空の中にある、何より愛しく尊いもの

それは


僕と共に君がいる事








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